ツヴィリングは包丁だけじゃない。最新のコードレス調理家電と電動式の真空保存ボウルが便利すぎた

ZWILLING(ツヴィリング)と言えばドイツ・ゾーリンゲンに本社を置く刃物メーカー。包丁やハサミといったキッチンツールが有名で、あの、人間のデザインが2つ繋がった独特のロゴマークを思い浮かべる人が多いだろう。実は数年前からキッチン家電分野にも参入している。
今回、ツヴィリング J.A. ヘンケルスジャパンが6月下旬に発売予定のコードレス調理家電『ツヴィリング XTEND/エクステンド』のメディア向け体験会に参加。3月に発売した人気の「フレッシュ&セーブ」シリーズ新製品「真空保存ボウル」のお披露目もあったので、その内容をレポートする。

電動工具のようにバッテリーを変換可能
『ツヴィリング XTEND』は簡単に言うと、一つのバッテリーで複数の調理家電が使えるシリーズ製品。バッテリーが共用できる電動工具をイメージすれば分かりやすいだろう。
今回発表したのは、ハンドブレンダー、ハンドミキサー、ハンディクリーナーの3製品。価格(税込)は、バッテリー・チャージャー付きスターターセットの場合、ハンドブレンダーが2万7500円(税込み・直販価格、以下同)、ハンドミキサーが2万5300円、ハンディクリーナーが1万9800円。バッテリー・チャージャーなしの単体の場合、ハンドブレンダーは1万5400円、ハンドミキサーは1万3200円、ハンディクリーナーは7700円。別売りバッテリーは1個9900円、チャージャーは3850円。
こうした小型キッチン家電は電源ケーブルや乾電池で動くものが多い。調理の下ごしらえで使うものなので、電源ケーブルがあると取り回しが不自由になるし、乾電池の場合はいざ使おうと思った時に電池が切れたり、使用済みの乾電池の廃棄が面倒だったりする。バッテリー駆動が最も使いやすいが、乾電池同様、いざ使おうと思った時に充電が切れていて使えない!ということがよくある。
バッテリー取り外し式なら、使った後に外して充電しておけば次に使う時にも電池切れがなくなるし、バッテリーが使い回せるから、一つの工程が終わったら次の家電へとリレー式に使うこともできる。何より、バッテリー共通なら、バッテリーなしの本体価格が安くすむのがいい。
ソフトスタートで食材が飛び散らない
では今回発表したエクステンドシリーズを一つずつ見ていこう。まずはハンドブレンダー。スムージーやポタージュ、離乳食などに最も活躍する小型調理家電だ。エクステンドシリーズ製品は、1回のフル充電で最大45分間、スムージーの場合は最大約60杯分の運転が可能。BLDCモーター(ブラシレス)の搭載により、ハイパワーながら静音なので、使いながらテレビの音が聴こえたり、レシピ動画を見ながら使うこともできる。スピード調整は3段階。

こりゃいい!と思ったのが、ソフトスタートと吸付き抑制構造。スイッチを入れてすぐにフル回転になるのではなく最初は低回転で徐々に回転数を上げていく仕組み。突然ドドッ!と回ってボウルの中の食材が飛び散る、ということが防げるのだ。また、先端のベル部の構造を工夫し、運転時にベルがボウルの底に吸い付きにくくなる。どちらも使用中のイライラが解消でき、調理が楽しくなり、また使おう、また作ろうという気持ちにさせる。

ニーダー付属でパン生地・ピザ生地の捏ねも
次にハンドミキサー。こちらは、1回のフル充電で最大2時間、パンケーキの生地ならば最大約500枚分に使用できる。邪魔なケーブルがないので背面がすっきりしており、テーブルに立てて置けるのがいい。ケーブルがあると置き場に困り、生クリームの泡だての時などは、ボウルに引っ掛けたり、皿に乗せたりと面倒だった。ちょっとしたことだが、こういう小さなストレスを解消することが、調理を楽しくさせるのである。

また、ニーダーが標準で付属するのもいい。一般的にハンドミキサーに付属するのはビーターと呼ばれる先端具。泡立て器のような形状で、生クリームやメレンゲ、スポンジ生地といった比較的粘度の低い食材のかき混ぜに使われる。
これに対して、パン生地やピザ生地といった粘度の高い食材にはニーダーというドリル形状の先端具が使われる。ビーターでは先端具の間に生地が詰まってしまい、かき混ぜられなくなるからだ。ビーターに加えてニーダーを標準付属することで調理の幅が広がる。なお、回転スピードは3段階に調節できる。
最後にハンディクリーナー。1回のフル充電で最大約45分間の運転が可能。標準モードとターボモードの2段階のスピード調整ができる。HEPAフィルターと水洗い可能なステンレスフィルターの2層構造により、吸い込んだ小さなゴミを外に排出しない。調理中にこぼしてしまった小麦粉などの掃除に便利だ。ブラシ付きノズルと長尺ノズルが付属する。
ツヴィリングでは今後XTENDシリーズを拡大していく方針だ。なお、バッテリーはチャージャーを挿した状態だとポータブル電源として使用可能。USB-Cポートが2つついており、スマホなど2台同時に充電できる。バッテリー容量は3000mAh。

かなりのスグレモノで調理したもの・下ごしらえを真空保存。
今回のもうひとつの目玉が、人気シリーズの新製品『フレッシュ&セーブ 真空保存ボウル』だ。同シリーズは、専用のコンパクトな電動ポンプを使って器の中を真空にすることで食材を湿気や酸化から守り、風味・栄養・食感を長持ちさせて最後までおいしく食べられる、という食品保存容器。
これまで、スクエア型とバッグ型を中心にシリーズ展開してきたが、このほどボウル型が加わったものだ。3月に発売されたのはガラス製とステンレス製の2種類、サイズはそれぞれS(12cm・1400円)/M(18cm・2500円)/L(24cm・3600円)の3サイズ、合計6タイプ。真空保存フタもS(800円)/M(1200円)/L(3600円)の3サイズを同時発売。

ガラスモデルは耐熱性があり、オーブンや電子レンジで使用可能で、器としてそのままテーブルに出せるし、フタをして冷蔵庫で保存もできる。ステンレスモデルは耐久性が高く、軽量で扱いやすいという特徴がある。また、熱が伝わりやすいので、冷やしながら、または温めながらの作業に最適だ。
なお、真空保存フタはストウブのセラミックボウルにもフィットするので、ストウブボウルが真空保存容器としても使える。

「フレッシュ&セーブ」はツヴィリグアプリに対応しており、真空保存フタに印刷された二次元コードをスマホで読み取り、内容物を消費期限つきリストで管理できる。消費期限が近づくとアプリが通知してくれるので、食品ロスが防げる。
真空ポンプは別売りで8250円。USB充電式。『フレッシュ&セーブ』シリーズは生鮮食品保存向けの、ガラス/プラスチック製のスクエア型、バッグ型、弁当箱、乾物などの常温で保存する食品向けのCUBEと呼ばれるプラスチック製のボックス型、ワインシーラーなど多彩なラインアップ。個人的には、新製品のボウル型の他にバッグ型と大きめのプラスチック容器も気になっている。バッグ型は、開封したスライスチーズやハムがカピカピになって食べられなくなるのを防ぎたい。プラ容器は、これからの季節、開封したポテチやクッキー、せんべいが湿気ってブニュブニュになっておいしくなくなるのを防ぎたいからだ。