大森元貴、BE:FIRST、Suchmos、ずっと真夜中でいいのに。、RIP SLYME、SEVENTEEN……注目新譜6作をレビュー

New Releases In Focus

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回は大森元貴「絵画」、BE:FIRST「GRIT」、Suchmos「Whole of Flower」、ずっと真夜中でいいのに。「クリームで会いにいけますか」、RIP SLYME「Wacha Wacha」、SEVENTEEN「THUNDER」の6作品をピックアップした。(編集部)

大森元貴「絵画」

大森元貴「絵画」

 楽曲のリリースに伴って立ち上げられた特設サイト。アトリエのような空間の真ん中に置かれたキャンバスには、大森元貴の肖像画が描かれている。これは何を意味するのか? そして、どんな思いが込められているのか? ファンのいろいろな考察が飛び交うなか、ついに大森の新曲「絵画」が届けられた。約4年ぶりに動き始めたソロプロジェクトの最初の楽曲「絵画」は、スッと吸い込む息の音からはじまる。緻密に構築されたビート、憂いを帯びたメロディライン、まるで独り言のように紡がれた歌詞がゆったりと溶け合うこの曲は、圧倒的なエンタメ感を伴ったMrs. GREEN APPLEの世界観とは明らかに異なる。孤独や傷、葛藤や不安を抱えながら、〈私の影を/貴方は探してくれる?〉というフレーズを吐露するこの曲を最初に届けた意図は何か? そのことをじっくり考えてみたいと思う。(森)

BE:FIRST「GRIT」

BE:FIRST「GRIT」

 最新シングルの表題曲。LAでのコライトキャンプで制作されており、作曲にはSKY-HIのほか、21歳の若手プロデューサー Kavi、プロデューサー/歌手のコルビー・オドニスが参加した。体を自然に揺らす打楽器音と脳を揺さぶる低音。ビートの組み合わせが抜群にクールなHIPHOPで、7人それぞれの個性を際立たせながらマイクリレーが進んでいく。いわゆるサビの概念は希薄だし、わかりやすいフックとなるのは全員で歌う〈Oh!〉のコーラスくらい。いまだ攻め続けるスタンスを貫く歌詞も相当尖っているのだが、これがキワキワの奇策とは思えない。むしろBE:FIRSTらしい王道だと感じられるところが、このグループの恐るべき功績だろう。(石井)

Suchmos「Whole of Flower」

Suchmos「Whole of Flower」

 軽やかで美しいピアノのフレーズとともに〈Love comes back/時よ〉というYONCE(Vo)の声が聴こえたきた瞬間、すべての憂いが雲散霧消し、晴れやかな解放感で包まれる。そこにあるのはもちろん、「Suchmosが戻ってきた!」という歓喜だ。4年のインターバルを経て、6月21日、22日に神奈川・横浜アリーナで開催される『The Blow Your Mind 2025』でカムバックを果たすSuchmos。じつに6年ぶりとなる新作EP『Sunburst』から最初に届けられた「Whole of Flower」は、爽やかさとしなやかさを感じさせるバンドグルーヴ、心地よく広がるメロディライン、そして〈時が動き出して 血が巡っていく〉というラインが一つになった楽曲。この曲によって映し出されるのは様々な出来事を経験し、受け止め、乗り越えてきた彼らの“今”にほかならない。音楽によって、こんなに晴れやかな気分になったのは本当に久しぶり。ここから始まるSuchmosの新しいストーリーをぜひ、たくさんの音楽ファンと共有したい。(森)

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