中川翔子が注目する“せいろ”の魅力とは? りよ子『すべてを蒸したいせいろレシピ』特別対談

近年、急激に注目を集めているせいろ料理。
でも「使い方が難しそう」「どんな食材を蒸せるのかが分からない」と、なかなか最初の一歩を踏み出せない人も多いのでは?
今回は、以前から蒸し料理には親しんでいるものの、せいろは未経験。最近SNSでの盛り上がりを見て興味を持ち始めたというタレント・中川翔子さんと、せいろ蒸しに特化したInstagram投稿が注目を集め、初のレシピ本『すべてを蒸したい せいろレシピ』(Gakken)が話題の料理クリエイター・りよ子さんによる、スペシャルせいろ対談をお届け。
料理へのハードルが下がるだけでなく、健康的になれ、自己肯定感まで向上する——そんな、蒸すだけで魔法のように毎日が豊かになるせいろ料理の世界に迫る。
せいろってハードル高いと思ってたけど、冷凍ハンバーグも餅もパンもぜんぶ蒸せるなんてびっくり!
――中川さんにお伺いします。せいろに対する印象を教えてください。

中川翔子(以下、中川):せいろって昔からあるけど、正直「なんかハードル高そう」「使い方がよく分からない」って思ってました。でも最近、TikTokやX(旧Twitter)でせいろを使ってる人が増えていて、「みんなこんなにせいろをサクサク使ってるんだ!」って驚いて、すごく気になってたんです。今は「気になってるけど使ったことない」って踏みとどまっている状態ですね。
――今回『すべてを蒸したい せいろレシピ』を読まれて、第一印象はいかがでしたか?
中川:「こんなに自由でいいんだ!」って解放されてワクワクした気持ちになりました! 野菜や肉はもちろん、パンや麺類まで蒸してるし、缶詰とかレトルトカレーも使っていてびっくり。「これはNG」とか「こうしなきゃダメ」っていう縛りがないから、せいろ料理がすごく身近に感じました。
りよ子:ありがとうございます! せいろ料理の魅力は、「パンは焼くもの」「麺は茹でるもの」といった既成の調理方法にとらわれず、蒸すことでまったく新しいおいしさを引き出せるところにあります。「こうしなきゃダメ」というNGがなく、自由度が高くて、どんな食材でもアリなのでぜひ楽しんでみてほしいです。

食パンもせいろで蒸すことで高級食パンのような仕上がりに。
――特に印象に残ったレシピはありますか?
中川:パンを蒸すレシピが衝撃でした。この半年くらいトースターを買うかどうか迷っていたんですけど、もう「せいろにしよう」って(笑)。あと、正月に余った餅をせいろで蒸すアイデアもいいですよね。まだ食べきれていないふるさと納税の冷凍ハンバーグも蒸したら一層おいしくなりそう!
りよ子:缶詰や冷凍食品も、せいろで蒸すと劇的においしくなりますよ。トースターとかレンジみたいな感覚で”あたため”に使っても、レンチンよりおいしいし楽しいです。
中川:もうなんにもNG ないじゃん!という(笑)。びっくりですね。あとデザートができるのも嬉しいかも。「まるごとりんごの蒸すだけおやつ」もおいしそう。
りよ子:あ、それめっちゃおいしいです! 今の季節だとその蒸したりんごを冷凍庫で凍らせると、りんごシャーベットみたいになっておすすめです。
食材を放り込むだけでOK。簡単でヘルシーなのにちゃんと満足感があり、見映えもよくて写真に撮りたくなっちゃう。
――りよ子さんご自身が、せいろ料理を使い始めたきっかけは?
りよ子:元々ダイエットや美容に興味があって”体にやさしい調理法”を探していたんです。
せいろを使って蒸した野菜の甘さ、素材の味の濃さに感動して、そこからハマっていきました。
――本書は、料理初心者でも無理なくせいろ生活が始められる内容になっていますか?
りよ子:はい、初心者の方にもすごくおすすめです。特に「まるごとレタスのせいろ蒸し」は包丁いらずで、レタスをちぎって放り込むだけ。せいろの魅力はもちろん、レタスの甘みを知っていただくのにピッタリの一品です。

包丁要らず! たっぷりの大根おろしとポン酢がオススメ。
せいろ料理は調理方法も簡単です。空焚きにならないようたっぷりのお湯を沸かしておけば、そのままほったらかして大丈夫。火の前につきっきりでいなくてもいいので、忙しい方や料理が苦手な方にこそぴったりなんです。わざわざレシピを見なくても、冷蔵庫に今ある野菜を2つか3つチョイスして切って入れるだけでも十分楽しめますよ。放っておくだけで完成するので、料理が得意じゃない人でも気負わずにごはんの準備ができるんです。
――簡単に作れるのが魅力のひとつなんですね。他にも「ここがいいな」と思うポイントはありますか?
りよ子:丸い木の形がコロンと食卓にあるとちょっと豪華に見えるし、“丁寧な暮らし”感が出て、自己肯定感も上がる気がします。「私ちゃんと丁寧なごはん食べてるんだな」みたいな。
中川:それわかります。せいろって見た目がまずテンション上がるし、「料理したぞ」っていう気持ちになる。
ーー「見映えを保った料理を作りやすい」というところも、せいろ料理のポイントかなと思いました。
りよ子:そうなんです。フライパン料理みたいに途中でお箸でいじったりせず逆にほったらかしなので、食材が入れたままの形で綺麗に仕上がります。雑に放り込んでもそのまま完成しちゃうので、見映えはいいですね。
中川:私、料理って「見た目も大事にしたいけど、早く食べたい」っていう葛藤があって、結果として映えない仕上がりになってしまうこともあるんです。「作ったぞ」「頑張ったぞ」っていう過程そのものもかっこいいと思っているんですけど、せいろは見た目が崩れないので”映え”という点ではすごくいいと思います。元々、中華街の点心や香港映画に出てくるような蒸し料理が大好きなんですが、家ではなかなか再現できない聖域くらいに思っていたんですよね。せいろで作った料理って仕上がりがとてもきれいだし、思わず写真を撮ってSNSに載せたくなる威力がすごくありますよね。
ーーSNSといえば、りよ子さんがInstagramでせいろ料理を紹介されてきた中で、特に反響が大きかったレシピの系統やニーズはどんなものでしたか?
りよ子:ダイエットや健康を意識している方からの反響が一番多かったですね。忙しいから難しいこと抜きで、でもできるだけ健康的な食事をしたい!という方が多い印象です。だから「簡単だけどヘルシー」なレシピが一番人気だと思います。フォロワーさんには既婚の方も多くて、毎日ご家族のためにごはんを作っている方々にも参考にしていただいています。