10周年で進化した『アイマリンプロジェクト++』、VRライブ&新キャストも登場の『ニコニコ超会議』を目撃した

アイマリン(CV:内田彩)を主役に、2015年に始動した『アイマリンプロジェクト』。同作が今年で10周年を迎えたことを記念して、『アイマリンプロジェクト++』と名称を新たに、コンテンツ展開をさらに広げることが決定した。
同情報は、4月26日・27日に千葉・幕張メッセ 国際展示場1〜8ホール・イベントホールにて開催された『ニコニコ超会議2025』にて明らかになったもの。同催事では「SANYO超集合!ブース」が両日通して設けられ、そのなかで「新章アイマリンプロジェクトステージ」として、出演声優らによるトークショーなども企画された。本稿では、4月27日の開催分に焦点を当てて、当日の模様を振り返っていきたい。
手持ちVRでカジュアルな導入体験 「Frustration」を“水晶宮”に立った臨場感とともに
まず紹介したいのは「アイマリン VRLIVE体験コーナー」。こちらは常設アトラクションだったのだが、筆者が訪れた早い時間帯からすでに20名弱の列が。内容としては、アイマリンとイチカゼロ(CV:佐伯伊織)が歌唱する「Frustration」のライブ映像を、VRヘッドセット『Meta Quest3』を使用して、仮想現実空間でリアルに体感できるというもの。ヘッドセットと言いながら、この日の体験装置にはグリップが装着されており、被らずとも手持ちの状態でカジュアルなVR体験をできるというのが、参加への敷居を大幅に下げてくれている気がした(やはり、しっかり被って髪型やメイクが崩れたりすることや、不特定多数の人と同じものを被るのに、多くの参加者は抵抗があるだろう)。
また、体験時には備え付けのペンライトも。スタッフ陣の“おもてなし”が行き届きすぎている。そんな心遣いに盛大に報いるべく、筆者もこの後、心ゆくまでペンライトを大振りさせてもらった。あくまでカジュアルだが、実感価値はそれ以上。なによりライブ映像では、ステージ上手側にイチカゼロ、下手側にアイマリンが並び、我々の方へとサビでぐっと近づいてくる臨場感など、感覚としては完全にふたりが“そこに居た”。手持ちVR、そして馴染みの楽曲をまた違う角度から楽しめた点で、とても新鮮な時間だったと記しておきたい。
『アイマリンプロジェクト』といえば、当初よりファンが集う場としてVRChat内にワールドを開設し、同サービス内でライブイベントを開催したり。あるいは、2021年に楽曲「Wave the Remember」を発表した際は、内田自らがMVのモーションキャプチャを担当したりと、かねてから最新テクノロジーを瞬時にキャッチアップし、取り入れてきた作品である。今回のアトラクションも、そうした姿勢の延長線上にあるものだった。
加えて、VRライブ映像のステージとなっていたのは、アイマリンらが過ごすエリア=水晶宮。彼女たちと同じ世界、同じ場所に立つことは、作品に対する圧倒的な当事者意識を育むものだったし、後述する新規結成されたファンクラブ「自由機甲楽団」への参加意識にも還元されるところだと思う。こうした感覚や経験はVR以外では代替不可。新たな技術が好循環を生み、作品とファンが相乗効果的にお互いを必要とする、確かな円環のなかにあるのだと強く感じさせられた。