『恋は闇』“みくる”齋藤飛鳥が明かした10年前の事件の真相 最終回に向けて新たな謎が浮上

6月6日の夜、“ホルスの目殺人事件”の6件目の事件が起きると割り出した町で、注意を呼びかけながら取材をしていた万琴(岸井ゆきの)と浩暉(志尊淳)。その最中にどこかへ行ったまま戻ってこない浩暉の居場所をGPSアプリで確認し、ある家にたどり着いた万琴は、その2階で血まみれになった女性と、包丁を持った浩暉の姿を目撃する。
これまでの数多のぼんやりとした証拠の積み重ねによって醸成された浩暉への疑念が、“現場を押さえる”という動かぬ証拠によって確たるものとなったわけだが、はたしてこのドラマがそんな正直すぎる結末を選ぶとは到底思えない。すなわち、浩暉が“ホルスの目”の真犯人だという疑念に対する疑念といえようか。いずれにせよ、答えは最終回までおあずけ。6月11日に放送された『恋は闇』(日本テレビ系)第9話は、その答えにたどり着くためのいくつかの事柄が明らかになり、かつ幾つかの新たな謎が浮上する。おそらく前者は、ひとまずは真実であると仮定しておかざるを得ないだろう。

先述の現場に警察が到着したことで、窓から逃げていく浩暉。その光景を記録した映像を放送したところ、たちまち万琴に対して“犯人を二度も取り逃がした”と非難が殺到する。一方で警察は浩暉を指名手配にして公開捜査に乗り出すのだが、一向に浩暉の足取りは掴めない。そんななか、浩暉は自らが真犯人であると名乗り、週刊新流を通して世間の関心を煽る手記を立て続けに発表。取材を進めていく万琴は、ついに浩暉の父・貫路(萩原聖人)と対面を果たすこととなる。

貫路と万琴のアパートでの対峙によって明らかになった点を簡潔にまとめると、まず貫路は“ホルスの目”に関与しておらず、10年前の母・久美子(紺野まひる)の事件と同様、浩暉が自分に罪を被せようとしていると感じ、あえて怪しい行動を取っていたのだという。その10年前の事件については、みくる(齋藤飛鳥)から顛末が語られる。無戸籍で保険証がない彼女は、重度の再生不良性貧血を患い、その治療のために浩暉はバイトを掛け持ちし、どこかからか血液製剤を手に入れ、自ら輸血していたと。過去のエピソードで明かされた、病院で警備員のバイトをしていた時代の一連はここにつながっているというわけだ。

そして、あの日、久美子に頼ろうと家を訪ねたみくるは、揉み合いとなって誤って久美子を刺してしまったのだと告白する。もっとも、“みくるが久美子を殺した”ということは、これまでのエピソードから充分に推察が可能な範囲。とはいえ、万琴はこう訊ねる。「1カ所でしたか?」。久美子は13カ所も刺し傷があった。みくるは質問に対し「わかりません」と答えるのみ。おそらく、とどめを刺した誰かが他にいるということで、可能性としては浩暉が最も高くなるのだが。